親の家の査定額の決まり方、近くで売れた価格と土地と建物の3つのアイキャッチ

親が住まなくなった家や相続した実家を、売るかどうか考え始めた方もいるでしょう。

ネットで相場を調べても数字がばらばらで、実際にいくらで売れるのか見当がつかない方も多いはずです。

古い家だから建物に値段が付かないのでは、と不安になっていないでしょうか。

査定額(不動産会社が見積もる「このくらいで売れそう」という金額)がどう決まるかが分かれば、ネットの数字に振り回されずに済みます。

査定額は何を見て決まるのか

「うちの親の家は、いったいいくらで売れるのだろう?」

不動産会社が出す査定額は、主に次の3つから決まります。

  1. 近くで実際に売れた価格:同じ地域で、似た家がいくらで売れたか
  2. 土地の条件:土地の広さや形、場所
  3. 建物の状態:築年数や、手入れをしてきたか

査定額は、不動産会社が思いつきで出す数字ではありません。宅地建物取引業法では、会社が売る値段について意見を述べるときは「その根拠を明らかにしなければならない」と定めています(国土交通省)。

根拠には、価格査定マニュアル(査定のためのマニュアル)や、同種の取引事例(同じような家が取引された例)を使うとされています。つまり、査定額には説明できる理由があるはずです。

ネットの相場と実際の値段の違い、売り出し価格と成約価格

査定額の元になる「近くで実際に売れた価格」は、ネットで見る相場とは別物のことがあります。

「近所の家があの値段で出ていたから、うちも同じくらい?」と考えた方もいるのではないでしょうか。ネットに並ぶ相場は売り出し価格(売り主が広告に出している希望の値段)で、売れた値段とは限りません。

実際の値段は、売り出したあとに買い手と話し合って決まります。これが成約価格(売り出した値段ではなく、実際に買い手と合意して売れた値段)です。

値段の名前 どういう値段か 読むときの注意
売り出し価格 売り主が広告に出す希望の値段 売れた値段とは限らない
成約価格 買い手と合意して売れた値段 査定で比べる元になる
査定額 不動産会社が見積もる値段 根拠を尋ねて確かめる

つまり、ネットの相場は「この値段で出している家がある」という目安で、売れた値段そのものではありません。

売り出し価格と成約価格がどのくらい離れるかは、地域や家の条件によって変わります。ネットの数字だけで売るかどうかを決めず、査定のときに、比べた売れた例を見せてもらうことも可能です。

古い一戸建ての査定で見られる、築年数と手入れの状態

築古の実家は土地だけの査定になるのか、建物の価値の見られ方

査定額を決める3つのうち、建物の状態は、築年数だけでなく、これまでの手入れの様子も見られます。

「こんなに古い家に、値段は付くのだろうか?」

国土交通省は2014年(平成26年)の時点で、中古の一戸建てについて「個別の住宅の状態にかかわらず一律に築後20~25年で建物の市場価値をゼロとされる慣行があり」と指摘しました(国土交通省)。

一方で、この指摘を受けて平成27年7月に、査定に使うマニュアルが改訂されました(国土交通省)。内外装や設備を補修していれば、基礎や骨組みの働きが失われない限り、住まいとしての価値は回復するものとして評価に反映する考え方です。

つまり、築年数が古くても、修理やリフォームをしてきた家は、建物の分も見てもらえる余地があります。

建物に値段が付かないと言われても、解体して更地にするかどうかは別に考えられます。弊社では、古い家を解体せずに、そのまま買い取ることもできます。

空き家を売るときの査定の流れと、頼む前に用意するもの

手入れの記録が評価に入ることを踏まえると、査定を頼む前に家の条件を手元にそろえておくと話が進みやすくなります。

「電話をしても、何を聞かれるのか分からない……」と手が止まっている方もいるでしょう。査定は、次の順で進めれば迷いません。

  1. 家の条件が分かるものをそろえる
  2. 不動産会社に査定を頼む
  3. 査定額と、その根拠の説明を受ける

そろえておきたいのは、先に見た3つのうち、土地の条件と建物の状態が分かるものです。

  • 家を建てた年が分かる書類
  • 土地の広さが分かる書類(登記の書類や固定資産税の納税通知書など)
  • 修理やリフォームをした時期と内容のメモ
  • 雨漏りや傾きなど、気になっている箇所のメモ

書類は、そろう分だけで足ります。空き家の場合は、長く人が住んでいない期間も伝えておくと、建物の状態を説明しやすくなります。

建てた年と修理の記録が査定の前に手元にあれば、建物の説明に困りません。

売ると決めていない段階でも、査定のご相談をお受けしております。

よくある質問(FAQ)

Q. 相続した実家を売ったら、税金はかかりますか?

売って利益が出ると税金がかかることがありますが、条件を満たせば控除を受けられる特例があります。被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例では、控除は最高3,000万円で、令和6年1月1日以後の売却で相続人が3人以上なら、上限は2,000万円です(国税庁)。

対象は平成28年4月1日から令和9年12月31日までの売却で、昭和56年5月31日以前に建てた家、売却代金1億円以下などが条件。当てはまるかは条件によって変わるため、税理士や税務署で聞くことが可能です。

Q. 片付けてからでないと、査定は頼めませんか?

片付けの前に査定を頼む順番でも進められます。査定額を決めるのは、近くで売れた価格と土地と建物。荷物が多いときは、頼むときに伝えておくと安心です。

Q. 査定額のとおりの値段で売れますか?

その値段で売れるとは限りません。査定額は見積もりで、実際の値段は買い手との話し合いで決まります。査定額は、売り出す値段を考えるときの目安になります。

相続した家を売るか迷ったら、何から始めるか

ここまで読んで、うちの家は築年数と手入れの状態でどう見られるのだろう、と感じた方もいるのではないでしょうか。売るかどうかは、査定額とその根拠を聞いてから決めても遅くはありません。

最初の一歩は、次の3つです。

  1. ネットの相場を目安として読み直す:広告の値段は売り主の希望だと考え、自分の家の値段とは分けて見ます。
  2. 家の条件をそろえて査定を頼む:建てた年や修理の記録を伝え、どの売れた例と比べたのかを尋ねます。
  3. 根拠を家族と共有してから決める:兄弟など一緒に相続した人がいるなら、査定額だけでなく根拠の説明も見せて話し合います。

査定額の数字だけを家族に伝えると、「なぜその値段なのか?」と話が止まりがちです。根拠まで共有しておけば、売るか残すかを同じ前提で考えられます。

国も、手入れを評価に反映する考え方に価格査定マニュアルを改めています。古い家だからと、査定をあきらめる必要はありません。書類がそろう前でも、遠方にお住まいでも、査定から家に残った荷物のことまで、まとめてご相談いただけます。

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