曇りの日の縁側。誰も住まなくなった実家へ風通しに来た日、縁側の古い木枠のガラス戸が半分ほど開けられ、秋分の昼の曇り空のやわらかな光が波打つ古いガラスと木枠の擦れた角に当たっている

誰も住まなくなった実家へ、風通しや草取りに通い続けていないでしょうか。

人に貸すか手放すか、何から確かめれば決められるのか分からずに調べ始めた方も多いはずです。

確かめることは3つで、見る順番も決まっています。

実家を空き家のままにすると、特定空家や固定資産税はどうなるか

市が空き家の持ち主に手入れを求める仕組みがあります。対象になるのが特定空家で、倒壊のおそれなどがあるとして、市から改善の指導や勧告を受ける空き家を指します。

国は令和5年の改正で、特定空家の手前にあたる、適切に管理されていない空き家も「管理不全空家」として指導の対象に加えました(国土交通省)。

指導のあとに勧告まで進むと、土地の税の扱いが変わります。

貸すか売るかは、家の状態・家族の意向・税の特例の期限の順に確かめる

家の傷みが進む前に決めるなら、家の状態、家族の意向、税の特例の期限の順に見ていくと迷わずに済みます。

  1. 家の状態:直さずに貸せるか、直すならどこかを見る
  2. 家族の意向:貸す、売る、残すの考えを家族に聞く
  3. 税の特例の期限:相続した実家なら、売る期限を数える

3つ目の特例は、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国土交通省の案内では「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」)です。相続した実家を条件と期限を満たして売ると、譲渡所得(売って得た利益)から最大3,000万円を差し引けます(国税庁)。

「少しでも家賃が入るなら、貸したほうがいい?」

そう迷ったときに知っておきたいのが、相続した時から売る時まで人に貸していないという要件です。先に貸すと、この控除は使えません。

相続した実家なら、人に貸す前に控除の期限を数えておくと、控除を使って売る道を残せます。期限を踏まえて貸すか売るかを考えるところから、ご相談いただけます。

貸す前に確かめる、直すところと家族の考え

晴れの日の押し入れの前。人に貸す前に傷みを確かめに来た朝、押し入れの古い襖が半分ほど開けられ、上の隅に残った雨漏りの茶色い染みとほつれた襖紙の縁に、窓から入る秋分の朝の晴れた光が当たっている

3つのうち家の状態は、次に実家へ行く日に見られます。人に貸すなら住める状態まで直す必要があるか、次の点で分かります。

  • 天井や押し入れに雨漏りの跡がないか
  • 床の傾きや、歩いたときの沈みがないか
  • 台所、風呂、トイレの水が出て、流れるか
  • 登記簿に載っている、建てた年月

では、建てた年月は控除とどう関わるのでしょうか。対象は昭和56年5月31日以前に建てた家です(国税庁)。令和6年1月1日以後に売るなら、売った時から翌年2月15日までに一定の耐震基準を満たすか、家の全部を取り壊せば対象になります。

修理が要るかが分かってから家族の考えを聞くと、話が具体的になります。「直してまで貸したい?」「思い出があるから残したい?」という問いも、傷み具合を添えれば答えやすくなるでしょう。

売って特例を使える期限と、空き家バンクで売る流れ

家の状態と家族の考えが分かったら、最後は控除の期限を数えます。期限の年から逆算すれば、貸すか売るかを決める時期も見えてくるでしょう。

2026年9月時点で、控除を使うには相続が始まった日から3年たつ日を含む年の12月31日までに売ることが要件です。制度そのものも、令和9年12月31日までの売却が対象です(国税庁)。

では、親が要介護認定等を受けて老人ホーム等に入所していた場合はどうでしょうか。一定の要件を満たせば、入所の直前まで住んでいた家が対象になります。

浜松市空き家バンクが載せるのは、市内にある一戸建の空き家のうち、売る物件だけです(浜松市)。載せるまでの流れは、次の4段階。

  1. 家の持ち主が、売る仲立ちを不動産会社1社に任せる専任媒介契約か専属専任媒介契約を結ぶ
  2. 不動産会社が、市へ空き家バンクへの登録を申し込む
  3. 市が、空き家バンクのページに物件の広告を載せる
  4. 買いたい人が不動産会社と直接話し合い、契約へ進む

市は広告を載せるだけで、値段や条件の話し合いは買いたい人と不動産会社の間で進みます。

よくある質問(FAQ)

Q. 遠くに住んでいて、実家へなかなか通えません。どうすればいいですか?

行ける回数が少ないなら、家の状態は行ける日にまとめて見れば足ります。家族と話すために、実家へ集まる必要はありません。

Q. 家具や荷物が残ったままでも売れますか?

家ごと買い取るご相談なら、家具や荷物が残ったままでお引き取りいたします。家を解体しなくても、そのまま買い取ることが可能です。

Q. 相続した人が3人以上だと、控除は変わりますか?

令和6年1月1日以後に売る場合、家と土地を相続した人が3人以上なら、控除は2,000万円までです。売却代金が1億円以下であることも、要件の1つです(国税庁)。

誰も住まなくなった実家を貸すか手放すか迷ったら、何から始めるか

家の状態、家族の考え、控除の期限と、確かめる順番は決まりました。風通しや草取りで通っている実家行きを、そのまま最初の一歩にできます。

  1. 次に実家へ行く日に、雨漏りの跡、床の傾き、水回り、建てた年月を見る
  2. 見たことを家族に伝え、貸す、売る、残すの考えを聞く
  3. 相続した実家なら、控除の期限の年を家族で書き出す

見てきた家の様子を、そのままお聞かせください。貸すか売るかから、家に残った家具や荷物の片付けまで、弊社でまとめてご相談をお受けしております。

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