相続放棄後に実家へ住み続けられるか、家を渡すまで残る保存の務めのアイキャッチ

財産も借金も受け継がない相続放棄を考え始め、住んでいる実家のことが気になっている方もいるでしょう。

引っ越しはいつまでに、何から始めればいいのか。分からないまま調べている方も多いはずです。

押さえることは、家を誰へ渡すかと、渡すまでの守り方の2つだけです。

相続放棄をしたら、同居していた実家をすぐ出ていくのか

「親と暮らしてきたこの家を、すぐ出ないといけないの?」

相続放棄を考えたとき、まず住まいのことが気になりませんか。相続放棄は、亡くなった人の財産も借金も、まとめて受け継がないと家庭裁判所に申し出る手続きです。

2026年時点の裁判所の案内では、申し出る期間は相続が始まったことを自分が知ったときから3か月以内です(裁判所)。

相続放棄をすると、初めから相続人でなかったことになる

3か月の中で放棄を選ぶと、親の家との関わり方が大きく変わります。民法では、相続放棄をした人は初めから相続人にならなかったものとみなされます(民法939条。e-Gov法令検索)。

放棄したあとは、実家を自分のものとして受け継ぐことはできません。長く暮らした家でも、この点は同じです。

放棄したあとも残る保存義務と、空き家にするときの管理

相続人でなかったことになるなら、家とはもう関わらなくてよいのでしょうか。放棄したあとも、保存義務が残ります。保存義務とは、次に家を受け取る人へ渡すまで家を傷めずに守る務めのこと。

民法940条は、放棄した時に実際に住んだり使ったりしていた財産を、次の相続人などへ引き渡すまで保存しなければならないと定めています(法テラス)。

空き家にして引っ越すなら、渡すまでの守り方は、たとえば次のとおり。

  • 戸締まりをして、鍵の置き場所を決めておく
  • 雨漏りや窓の割れが無いか、ときどき見に行く
  • 家具や荷物を、自分の判断で処分しない

引っ越したあとも、家を渡す日までは戸締まりと見回りを続けます。見に行く回数や管理の費用は、条件によって変わります。

相続人が全員放棄したら、実家は誰の手に移るのか

では、家を守る務めは誰に渡すまで続くのでしょうか。渡す相手は、ほかの相続人がいるかどうかで変わります。相続人がいないときに出てくる相続財産清算人とは、家庭裁判所が選んで家などの財産を片付ける人のこと。

状況 家を渡す相手
ほかに相続人がいる その相続人
相続人が全員放棄した 相続財産清算人
相続人がいるか明らかでない 相続財産清算人

つまり、自分のあとに家を受け取る人がいるかどうかで、家を渡す相手が決まります。

相続財産清算人は、相続人がいるかどうか明らかでないときに、申し立てを受けて選ばれます(裁判所)。申し立てるのは、利害関係人(お金を貸していた人や遺言で財産を受け取る人など)と、検察官です。

申立先は、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所。清算人は亡くなった人の借金を払い、残った財産を国のものにします。

よくある質問(FAQ)

Q. 放棄したら、何日以内に家を出ないといけませんか?

いつまでに出るかは、家を渡す相手や、その人へ渡す時期で変わります。ほかに相続人がいるなら、その人と引っ越しの時期を話し合って決めることになるでしょう。

Q. 家に残った荷物を、自分で処分してもいいですか?

自分の判断で処分するのは避けます。家を守る務めが残るので、渡す相手や専門家に相談してから決めます。

Q. 誰に相談すればいいですか?

放棄の手続きと家の引き渡しをまとめて聞くなら、弁護士や司法書士が相談先になります。

相続放棄を決めたら、引っ越しと家の引き渡しに向けて最初にすること

実家を退去するまでの流れと、片付けで注意すること

親と住んできた家を、この先どう手放すか。考え始めた方は、次の順で進めると迷いが減ります。

  1. ほかに相続人がいるかを確かめ、家を渡す相手の見当をつける
  2. 亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所に放棄を申し出る。費用は2026年時点で収入印紙800円分(申し出る人1人につき)と、裁判所ごとに異なる連絡用の郵便切手です(裁判所)
  3. 渡す相手と話し、引っ越しの時期と鍵の引き渡しを決める

家を誰へ渡すかが分かれば、家を出る日も決めやすくなります。判断に迷うところは、弁護士や司法書士に相談しながら進めることもできるでしょう。

とはいえ、何から手をつけて良いか迷うことも多いかと思いますので、まずは弊社にお気軽にご相談ください。

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