親御様が亡くなり、誰も住んでいない実家が残ったとき、何から始めればいいか迷う方は少なくありません。
家の名義、家族との話し合い、家の中の片付けと、考えることが一度に重なります。
期限のある手続きを近い順に並べれば、1つずつ片付けられます。
親の家を相続したとき、何から手を付ければいいのか

実家の相続で手が止まるのは、やることが多いからだけではありません。
「家の名義も、家族との話し合いも、片付けも、どれから手を付ければ……」
相続の手続きには期限のあるものがいくつもあり、期限の長さもそれぞれ違います。全部を同時に考えようとすると、どれも手を付けにくくなります。期限の近い順に並べれば、その判断に要るものから集めていけます。
実家の相続手続きの流れは、期限の近いものから進める
期限の近い順に進めるなら、なぜ書き出すところから始めるのでしょうか。いちばん近い期限の判断に、その中身が欠かせないからです。
書き出すのは、預金や家だけでなく、ローンや未払いの請求まで。
手がかりになるのは、通帳や、役所や金融機関から届いた郵便物です。実家の引き出しや郵便受けを、一度まとめて見ておくと進めやすくなります。
- 3か月以内家も借金も受け継がない相続放棄をするか決める
- 10か月以内必要なら相続税を申告する
- 3年以内家の名義を変える相続登記を申請する
つまり、最初の3か月で決めることを先に片付ければ、残りの手続きは順に進められます。
相続税は、必要な場合、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内(国税庁、2026年時点の案内)に申告しなければなりません。申告が必要かどうかは条件によって変わり、税理士に尋ねて判断することも可能です。
相続放棄の期限と、実家を受け継ぐ前に確かめること
親が残したものの一覧ができたら、次は、それらを受け継ぐかどうかを決めます。相続放棄は、家庭裁判所に申し出て行う手続きです。
期限は、自分のために相続が始まったと知ったときから3か月以内(裁判所、2026年時点の案内)とされています。亡くなった日から数えるとは限りません。
「借金があるかどうか、3か月では分からない……」
そんなときは、家庭裁判所に「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てると、期間を伸ばしてもらえることがあります。調べても判断する資料がそろわない場合の扱いです。
借金も含めて親が残したものを書き出してから、受け継ぐかを決めるのが、この手続きの順番です。
実家を受け継ぐ人を決める話し合いと、相続登記の期限
相続放棄をせずに受け継ぐと決めたら、次は何を話し合えばよいのでしょうか。まずは、誰が何を受け継ぐかを相続人全員で話し合う遺産分割協議で、実家を受け継ぐ人を決めることになります。
実家について話し合っておきたいのは、次の3つです。
- 実家を誰の名義にするか
- 残すか手放すかを決めるまで、誰が家の様子を見に行くか
- 家の中に置いたままになっている物を、誰が片付けるか
受け継ぐ人が決まったら、家の名義を亡くなった人から相続人へ変える相続登記へ進むことになるでしょう。
相続登記は令和6年4月1日から義務になり(法務省、2025年時点の案内)、申請の期限は相続で取得したことを知った日から3年以内です。正当な理由なく申請しないままだと、10万円以下の過料(裁判所が決めるお金の罰)の対象になることがあります。
よくある質問(FAQ)
Q. 遠方に住んでいても、親の家の近くの家庭裁判所に申し出るの?
相続放棄を申し出る先は、亡くなった人が最後に住んでいた住所地の家庭裁判所(裁判所、2026年時点の案内)です。費用は、申し出る人1人につき収入印紙800円です。遠方からの申し出の進め方も、その家庭裁判所に問い合わせれば教えてもらえるでしょう。
Q. 相続税の申告は、誰でも必要なの?
必要かどうかは条件によって変わります。期限は先に見た10か月以内なので、当てはまるかどうかは税理士に尋ねて判断するのもよいでしょう。
Q. 義務になる前に相続した家も、名義を変えるの?
義務になる前に相続した家も対象です。令和6年4月1日より前に相続を知り、名義を変えていない家は、令和9年3月31日(法務省)までに相続登記を申請する必要があります。
空き家になった実家をどうするか、決める前にやること
受け継ぐ人と名義を変える期限の見通しが立つと、空き家になった実家をどうするかを落ち着いて考えられます。
「片付けが終わらないと、相談もできないのでは?」
そう感じて、家の中に手を付けられずにいる方もいるのではないでしょうか。進める順は、次のとおりです。
- 相続放棄をするかを、期限の中で決める
- 実家を受け継ぐ人を決め、相続登記を申請する
- 家の中の物はそのままで、家を見てもらう
弊社では、置いたままになっている物や不用品が残った状態でも、家ごと買い取っております。
手放すことも考えているなら、片付けを始める前に、いまの状態のままご相談ください。